クレーンゲームの代名詞「UFOキャッチャー」が誕生して今年で40年になる。日本のゲームセンターに関心があったフランス人のボトス・ブノワさん(36)は、日本に留学すると、クレーンゲームを社会情報学の視点から研究し、博士号を取得した。7月には、研究内容をまとめた360ページに及ぶ専門書を出版する。いったい、クレーンゲームの何がブノワさんを引きつけるのか。
- UFOキャッチャー40年、当初の名は…ブーム作ったアンパンマン
――多くのゲーム機がある中で、なぜクレーンゲームを研究対象にしたのですか。
「実際に足を運んでみて、ゲームセンターが『クレーンゲーム化』していると感じたからです。単に数が多いだけではありません。店頭以外にも、ワンフロアすべてに置かれることもあります。その存在感は大きく、売り上げも一番多い。ただ、先行研究では、2000年以降のクレーンゲームに焦点を当てた分析は見当たりませんでした」
――どのような方法で分析したのですか。
「東京にある27のゲームセンターを訪れ、店のレイアウトやクレーンゲームの台数、機種や景品を記録しました。また約200人の利用者を対象に、店内での行動や店員とのコミュニケーションの内容を観察。さらに店員などへの聞き取り調査をしました」
クレーンゲームは「ショーケース」
――どんなことがわかりましたか。
「注目した点の一つが、クレ…